名残り桜

女友達に誘われて、若き寿司職人 岡田大介さんの「酢飯屋」が開く「旬の会」にお邪魔させていただきました。テーマは「名残り桜」。

まさしく今が旬の桜海老を中心に、美味しいお魚をいろいろいただく会です。たまたまホームパーティにおよばれした格好の、知らない人同士8人がテーブルを囲むのですが、なぜかデザートの頃にはすっかり打ち解けていました。この日は、お料理と合うお酒(ワイン2種類&日本酒3種類)を選んでくださった、金井麻紀子さんもいらっしゃったので、ワインのお話もいろいろ聞けてラッキー!お料理もお酒もおいしかった〜。おいしいものが好きな人同士って、どうしてこんなに話が盛り上がるんだろう(笑)

次回は、気の置けない食べるの好きなお友達数人で、ぜひ岡田さんのお寿司が食べてみたいなあ。


ほんのり桜色の金目鯛を、蛤の出汁でしゃぶしゃぶ。
まるで八重桜のような艶やかさ。皮が縮まる3秒間ぐらい出汁にくぐらせて、レアでいただくのが最高です。

鰆(さわら)の塩焼き。一匹丸ごとだとけっこう大きいんですね。次回はぜひお刺身を!

たこのスモーク。土鍋風の陶器(伊賀焼き)「いぶしぎん」を使うと、おうちでスモークができるそうです。しかもたった30分で!!当然チップは桜の木。いい香りだ〜

筍の田楽。この日はラッキーなことに穂先の柔らかい部分ばかりでした。

杏仁豆腐。器も桜模様です。これに、ベリー/チェリーの味のリキュールをかけていただきました。
写真では分かりづらいですが、憧れの「バケツプリン」ならぬ「バケツ杏仁」サイズです!!

あ、しまった、メインの桜海老の写真がない。。。。(生桜海老、釜揚げ、桜海老の炊き込みご飯、をいただきました。おこげにしゃぶしゃぶのだし汁をかけて食べたらウマーでした)

嗚呼、日本人でよかった!!


ノスタルジーへの体の欲求

私は1人でお茶を飲むのが好きだ。もちろん、家族や友達と一緒に色々お話しながら飲み物をいただくのも楽しいが、初めて入るカフェや喫茶店で、1人で居心地良く寛げた時の悦びは、珍しい昆虫を捕まえたときの小学生の得意さに匹敵するものがある。

私が1人で入って寛げて、楽しい場所。

お店の中の眺めや、窓の外の景色がうるさくないこと。緑があって適度に静かなところ(静か過ぎても緊張する)だと最高である。東京という街は、普通に生活しているだけでも目や耳から入る刺激が圧倒的に多いので、それが削ぎ落とされているだけで随分気持ちが落ち着く。
それと、お店が混みすぎておらず空きすぎていないこと。混んでいると、次のお客さんに席を譲らなきゃ、と気を揉むし、空きすぎていると違う意味で心配になるので。程よく賑わっていて、お店の人も適度に忙しく、お客さんを構いすぎない、そういう雰囲気が大好き。
飲み物はおいしいほうがもちろん良いが、そのお店の全体的な雰囲気とバランスが取れていると安心する。
また、趣味の良い古い食器を直しながら使っているお店というのは、モノを大事にする奥床しさが伝わってきて、好ましく感じる。

こういうお店で、ぼんやりと物思いに耽ったり、途中でとまっていた本の続きを読んだり、色々なことについて反省したり計画を考えたりする時間は、私にとって最高の贅沢の一つかもしれない。

そんな「最高の贅沢」を味わう場所として、私が今一番気に入っているのが、「古桑庵」

カフェ、というのはちょっと違う。茶房、もしくは甘味処 のほうが確かにしっくり来る。
でも、もっとしっくり来るのは、「おばあちゃんのうち」である。

たいそう風流な庵である。なのに、訪れる人を緊張させず、大らかに受け入れる。広い和室に御膳と座布団がひかれていて、大きな窓からはお庭が見える。お庭はそれほど広くはないが、造った人が色々考えて心地よく設えたということがよく分かる。手作りのコースターやティッシュケースも、着物や箱をリサイクルして拵えた可愛らしい和風な小物達である。お日様ぽかぽかの午後は、窓際が特等席である。ときどき隙間風が入ってくるのもご愛嬌。「昔の日本の家ってこうだったよね」とむしろ和むから。気が付くと、足がむずむずして、つい、畳にコロンと寝転がりたくなる。座布団を半分に折って頭の下に敷いて、あったかい縁側で三毛猫でも抱いて転寝できたら、さぞかし気持ちが良いだろう。

人間どんなに偉くなっても、お金持ちになっても、自分の死に方まではなかなか選べないが、できれば、80歳ぐらいまで長生きして、そういう風にお昼寝しながらポックリと死ねたらいいな。

お善哉をいただきながら、そんな先々の自分の人生にまで思いを馳せた私であった。よく考えたら、私のおばあちゃんのうちは全然古桑庵とは違うのだが、なぜか懐かしさを感じる。ノスタルジーへの体の欲求ってあると思う。渇いた喉を潤すように、時々私は「懐かしいもの」が欲しくなる。

「古桑庵」
住所/目黒区自由が丘1-24-23 
電話/03(3718)4203
営業時間/11時~18時30分
定休日/水曜日

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Apple Pie

アップル繋がりでエントリ!(ちょっと苦しいか。。。)

実家から、おいしい食べ頃のリンゴが大量に届きました。(注:私の実家がリンゴ農家というわけではなく、母が色々なものを娘に送るのが好きな人なのです)

普通に食べるだけでは追いつかないので、とりあえずパイを焼きました。しばらくリンゴを使った料理攻めが続きそうです(昨日の夕食はリンゴサラダ)お菓子に使うリンゴとしては、紅玉やアカネのような固めで酸っぱい種類のほうが合うと思いますが、普通のでもなかなかでした。

「日本にはあるけどアメリカにはないもの」「アメリカにはあるけど日本にはないもの」それぞれ色々ありますが、日本に帰ってきて「便利だなあ」と思ったのが冷凍パイシート。アメリカは、あんなに冷凍食品が盛んなのに(でかいスーパーでは列3つぐらい冷凍食品の入った巨大フリーザーが並んでる)なぜかパイシート相当のものがなかったのです。

逆に、「日本にもあればいいのになぁ」と思うのが、Trader Joe'sのピザの生ドウ。これを麺棒で伸ばして、チーズやトマト等、具を載せてオーブンに入れるだけで熱々の焼き立てピザが食べれるので、とっても便利。冷凍ピザが売ってるぐらいだから、生ドウも売っててもいいのに。。。と思うのですが。


アメリカのオタフクソース市場

こないだ自宅でお好み焼きを作っていて気が付いたのですが、オタフクソースって米国法人があるんですね。し、知らなかった…!

フト湧きあがった疑問が、

  • アメリカでのオタフクソースの市場はどれくらい?
  • アメリカでは、日本人/日系人以外もお好み焼きを食べるのか?
  • 食べるとして、その人達は一体どうやって、お好み焼きという料理の存在を知るのだろう?

まず最初の疑問について、試算の結果、アメリカにおけるオタフクソースの売上高は約$657,000もしくはそれ以上 になりました。

(我ながらアホだなと思いますが)その算定根拠は、

  • 日本におけるオタフクソースの売上高が177億円(同社ホームページより
  • 日本の人口が約1億2,500万人で、在米邦人が約34万人(つまり日本の人口:在米邦人=367:1)
  • ゆえに、177億円を367で割る
  • 内外価格差を補正するため、1.5を掛ける(アメリカで売ってる日本の食材は、大体本国の1.5倍の価格が相場という感覚値による)

この結果、上の値になりました。為替レートは、$1=$110にしました。

私が覚えている限り、韓国食材店には大抵お好み焼きの「粉」は売っているのですが、オタフクソースが売ってたかどうかは定かでないので、

  • 少なくとも日系スーパーには置いてあるだろう
  • そればらば、少なくとも日本人は買うだろう

と考えました。

オタフクソース米国法人のホームページによると、どうも社員は3人らしいので、アメリカ全土のミツワとニジヤ(シリコンバレーにもある日系スーパーチェーン)にダイレクトセールス、あるいは、日本人が多く住んでいる土地の日系・アジア系のスーパーに強いフードディストリビューターを通してのチャネル営業ではないか?等と思ったりしました。

が、勿論、日系スーパーにはアメリカ人も大勢買い物に訪れるので、もしかしたらもっと売れているかもしれません。日本人以外へのお好み焼きの普及度合いは、面白いアイディアが浮かんだら、また試算してみます。

お好み焼きって、それほど作り方の難しい料理でないので、一度食べたら「やってみよう」と思う人はいると思うのですが、そもそも「そういう料理がある」ことを知らないのが一番大きなハードルのような気もします。 お寿司はレストランがたくさんある比較的ポピュラーな料理なので、「誰かに連れて行ってもらった」のがキッカケという人は多そうですが、お好み焼きレストランってあんまりなさそうだしなあ。。。(シリコンバレーには1軒あったが、1年ほど前に閉店した)

ちなみに、お好み焼きをWikipediaで調べたら、"Japanese pizza" という訳がありました。
ピザはイタリア移民がアメリカに輸入した文化ですが、今では国民食と言って良いほど普及してるように思います。

「外国から来た食べ物だって、定着しうるんだよなー」
「お好み焼きソースってむちゃくちゃニッチだと思ってたけど、案外売れるものなんだなー。他にもまだまだ、外国に進出できそうな会社ってあるのかもなー」

等と考えた、ある日の夕方でした。

※オタフクソースはお好み焼きソース以外の商品も色々売っています。私は調べるまでお好み焼きソース専業の会社なのかと思ってたんですが、西日本ではかなりポピュラーなブランドのようです。しかも、ソース業界では、ブルドックソース(売上高200億円)に次いで、業界第2位だそうです。


Banffのおいしいレストラン

今回の旅行はご飯もおいしかったです!私が気に入ったBanffダウンタウンのお店を紹介します。ただ、私は家では和食ばっかりだし、外食はベト麺とかB級グルメが多いので(笑)、その辺は割り引いた上で参考にしてください。それと、カナダは(アメリカと比べると)全体的に味付けが優しめなので、日本人の口に合う店が多いと思います。

     
  1. Bumper's
  2. 直前までレイクタホへ行っていて余裕がなく、食べるものに関しては全然事前の情報収集はしていなかったのですが、どういうスキー場があるのか調べていたとき見つけた、200 Snow Reportsという面白くてためになるホームページで紹介されていた「正気の沙汰でないバカでかいステーキ」があまりに印象的だったため、バンパーズへ行くことにしました。

    「バンパーズに来ないとバンフに来たとは言えない (If you haven't been to Bumper's...You haven't been to Banff!) 」と宣伝しているこのレストラン、日本語メニューが置いてあるほど日本人観光客にも人気があるようです。実際、ステーキは他の店でも食べたけど、ここのほうがおいしかったです。ただし、量はやはり半端じゃないので、一般的な日本人なら一番小さいサイズで十分だと思います。また、ここはあくまでステーキの店(割かしリーズナブルだし)なので、その他の料理には期待せず、黙って肉を食べたほうが良いと思います。

     
  3. Maple Leaf Grille & Spirits
  4. 「やっぱりカナダに来たからカナダ料理の店に行きたいよねえ」と。インテリアには丸太が使われていたり、スタッフも親切で、Cozyな雰囲気だし、適当に賑やかなので、わいわい家族やグループで行くのに良いと思います。入り口に飾られている直径2メートルのクリスマスリースや、店内の壁に張り巡らされている針葉樹の枝やドライフルーツの飾りつけは本物でした。ここでは自家製スモークハムを使ったChef's SaladやGrilled Salmonをいただきました。バターを使った味付けはアッサリ目で、地物の鮭はさすがにおいしかったです。デザートはMaple syrupを使ったアイスクリームがオススメです。

     
  5. Evergreen
  6. カナダ最後の夜はやっぱりカナダ料理。でも昨日も食べたので、少し目先を変えて「Contemporary Canadian」にしました。私は、今回の旅行の中ではここが一番のお気に入りです。モッツアレラとトマトのサラダは、トマトがオーブンでグリルしてあって、味が濃縮されていてとても良かったし、ポークチョップは、お肉もさることながら、付け合わせがかぼちゃ、しかもコロッケ。凝ってるんだけど味付けはオーソドックスで、普通においしかったです。ここのお野菜は、素材の味が濃厚に出ていて、おいしくてほっとします。デザートは、スペシャルのチョコレートケーキをオーダーしました。外はカリカリ、中はとろっと溶けているタイプのケーキでしたが、オーブンで焼かれた香ばしいほろ苦さがたまりません。(ちなみに、合間にマンダリンのソルベ、最後にチョコレートをサービスしてくれるので、甘い物がそんなに好きでない人はデザートを頼まなくても良いかも)サービスしてくれた人は、前はレイクタホ近くのレストランにいたとのこと。私達も、丁度クリスマスにタホへ行ったばかりだったので、タホとバンフのスキー場談義でも盛り上がりました。きっとスキー好きが高じてカナダに来てしまったんだろうなあ、と思いつつ、サービスは気持ち良かったです。

    しかし、味良し・雰囲気良し・サービス良しなのに(値段は今回の中で一番高かったけど)全然お客が入っていないのは心配です。ホテル内のレストランなので潰れはしないだろうと思いますが。難を言えば、ここのホテルは車が止めづらく、Banff Aveの一番賑やかなエリアから歩くと少し遠い(外が激寒なので)という、立地の問題はあるかもしれませんが。。。でも、行って後悔はしないと思うので、一度くらいはちょっとロマンチックなディナーを、という時には是非お立ち寄りください!オススメです!

昼は基本的に「ゲレ食」だったので、特筆すべきものはありませんが、朝しか行かなかったけどまた行きたいな、と思ったのは、Coyotes Deli & Grill (206 Caribou St) です。パンと卵とポテトとソーセージ、パンケーキ、みたいな極めてベーシックなメニューなのにどれもおいしかったので。朝食はオープンキッチンで作ってるのが見れるのも良いです。