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GoogleとYouTubeは既存ビジネスの破壊者なのか?

週末、Emerging Technology研究会に参加して、色々な議論を聞いて、Google/YouTubeがもたらしうる「破壊と創造」についてあれこれ考えさせられた。中でも、著作権のあり方が変わるのではないか?という意見があったので、これについて少し考えてみたい。

私自身の著作権に対する考え方は、コモディティ化が進む経済(オンライン音楽販売に考える)というエントリを書いた時から、変わっていない。著作権というのは、その立法趣旨に鑑みても、創作者に対価をきちんと還元する仕組みによって創作活動(と創作物を公開すること)に対するインセンティブを高め、文化を振興するためにある。

と書くと何だか高尚っぽいが、卑近な例で言うと、私の場合、会社で日中働いてお給料をもらって生活してるので、本業以外のことを勉強して書き綴る趣味のブログはなかなか頻繁に更新できないなぁ、みたいな嘆きみたいなものだろうか。

話を戻すと、なぜ本を丸ごとコピーしてそれを配るのが違法なのか?というと、その情報を入手・保持することへの対価を著者に還元するための手段が、紙という媒体を売買することで担保されているからであって、もしそれ以外の方法が担保されたら、著作権法によって禁止される行為は現実世界に合わせて変化していくべきなのだ。レンタルレコード・CDという商売が登場して、「レコードを他人にお金を取って貸す場合は著作権者にお金を払うようにね」という条項が追加されたのと同様に。

そして、CDやDVDといった物理的な媒体ではなく、インターネットを通じて音楽・映像データそのものをやり取りするという動きを止めること、完全にコピー不可能なファイルを作ることはもはや無理だろう。一旦便利な方法に味を占めたユーザーは、不便で不経済な方法に逆戻りはしない。デジタルファイルはコピーされるものだという前提に立つこと(プロテクションを掛けることはできるが、ウィルスと同様ハッキング技術とのイタチゴッコだろう)、「ユーザーから直接対価を回収する」以外の方法を模索することが現実的なアプローチではないかと思う。

●CD業界では何が起こったか

ちょっと回りくどいかもしれないが、まず、映像配信の一歩手前で、音楽配信技術・ビジネスは、既存のCD業界にどういう影響を与えたのか、アメリカでの事例を見ていきたい。

RIAA (Recording Industry Assiciation of America) によると、CDの平均単価は1983年から1996年に掛けて40%下落しており、96年時点の平均単価は$12.75。これがもし、同期間の消費者物価指数と同様伸びていたとしたら、$33.86になるそうだ。そして、CD業界も大多数の商品は大赤字で、儲かる商品はごく一部 ― 黒字化するのは1割以下の商品とのことだ。やはりというか、相当ロングテールなんですね。

Between 1983 and 1996, the average price of a CD fell by more than 40%.  Over this same period of time, consumer prices (measured by the Consumer Price Index, or CPI) rose nearly 60%. If CD prices had risen at the same rate as consumer prices over this period, the average retail price of a CD in 1996 would have been $33.86 instead of $12.75.

また、業界全体の売上高を1995~2005年の10年間でみると、(注:PDFファイルが開きます)1999年の$14,584.7 million をピークに、2003年まで下落し、デジタル音楽が市場としてカウントされるようになった2004年から若干盛り返している。1999年と言えば、Napsterが発表された年であり、2003年と言えば、デジタル音楽がビジネスとして成功したiTunes Music Storeが始まった年に当たる。2005年は、2004年よりも業界全体の売上高は若干下落しているが、ユニット数はこの10年間で最大に増加している。それから、デジタル音楽の市場が全体に占める割合は、金額ベースでは4.1%だが、ユニットベースでは29.4%に達している。もう一つ興味深いのは、モバイル市場($421.6 million)が通常のインターネットでのダウンロード($503.6 million)に匹敵する勢いだということ。

つまり、アメリカのデジタル音楽市場(PC+携帯)は1千億円市場(日本円換算するのはちょっとヘンだけど)なのだ。

確かに、CDの単価は下落したし、違法コピーされた音楽ファイル数は合法的に購入されたものの何倍にもなるだろう。でも、トータルで見たら、業界全体はピーク時の84%程度には維持されている。そして、以前よりも多くの音楽が売れるようになっている。

これを見て、音楽配信技術は、従来のCDビジネスを単純に「破壊した」と言えるのだろうか?

●では、YouTubeはどのようなインパクトをもたらすのか

たぶん、(Googleによる買収前も今も、)訴訟リスクはYouTubeにとって最大のリスクファクターの一つだろう。
でも、それと同時に、YouTubeは面白い。可能性がある、と思う。

映画コンテンツなんかは、無償で全部アップロードされちゃうと辛いかもしれないが、それこそ素人が作ったコンテンツや、これまで超ローカルでしかリーチのな かった中小プロダクションのコンテンツ等、YouTubeがなかったらあんまり人に見てもらうチャンスがなかったゾーンにとっては、そもそも元の市場価値がゼロだったわけなので、ほんのちょっとでも金銭になればそれはそれで嬉しいことのような気もする。

ダンナも書いていたが、従来メディアがそれなりに流して作ったコンテンツより、素人が作ったコンテンツのほうが(瞬間最大風速的かもしれないが)人気を集めてしまったり、大量の「寒いコンテンツ」(Masa 33さんの図表は最高に分かりやすい)の中から未来の星が発掘されたり、あと、従来メディアが作ったコンテンツのコピーの中でも、例えば、30分の番組の中で、皆が最も面白いと思ったのはどの瞬間だったのか、ユーザーによる編集結果や閲覧数を見れば、瞬間視聴率なんかはむちゃくちゃ低コストで測定できそうだ。

アップロードされたコンテンツのコピーされ度合い・閲覧度合い、といった、従来とは全く逆の発想で、それに応じてお金に変換してユーザーに還元する方法も色々ありそうだ。その辺は、ダンナが詳しく書いていたのでそちらに譲りたい。

また、ET研でも一瞬話題になったが、なんと、アメリカの4大レコード会社のうち3社が、Googleへの売却直前にYouTubeの株を貰ったそうだ。その額はおよそ$50 millionらしい。Music Companies Grab a Share of the YouTube Sale, NYTimes, 10/19/2006)

金持ちケンカせずというか、Napsterとの訴訟騒動を通じて「割に合わん」と学んだのかは分からないが、一体どうやってこの$50 millionという額を算定したのかが気になる。合法オンラインダウンロード市場の1/10近い額なので、まーよっぽど違法アップロードが多いと言うことだろうか。。。。NYTimesの続報に期待したい。いずれにせよ、既存メディアがYouTubeの株主になっているというのは面白い構図である。


日本経済 競争力の構想―スピード時代に挑むモジュール化戦略

日本企業は戦略がないとか国際競争力がないってよく言うけど、本当なの?
それはどこの業界にも共通している問題なの?
日本はベンチャー起業が少ないっていうけど本当なの?他の国と比べてどれぐらい少ないの?それはなぜ?
ベンチャー起業が少ないと、経済や社会にどういう影響が出てくるの?
ITの活用度合いは競争力に関係しているの?
だとしたら、何を使うかが大事なの?ITを活用する能力・業務変革を行なう力が大事なの?
日本企業のIT活用力ってどれぐらいなの?

・・・こういった疑問に答えてくれる本です。4年近く前に出版されたものですが、とても面白いです。書評は別途まとめたいと思います。(実は、この本、著者の安藤晴彦氏に直接ご推薦いただいたのでした。ようやく読了。。。)

M・ポーターの「日本の競争戦略」を読んで、「いやまぁ、確かにそうかもしれないけど、どうして外国の人にここまで言われなきゃいけないの」と内心ちょっとモヤモヤ感を抱いた人にオススメします。

日本経済 競争力の構想―スピード時代に挑むモジュール化戦略
日本経済 競争力の構想―スピード時代に挑むモジュール化戦略 安藤 晴彦 元橋 一之

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というか、そもそもこの本は、ポーターに対する反論?検証?を試みているので、「日本の競争戦略」とセットで読むと良いと思います。

また、この本の著者は「モジュール化」で有名な安藤晴彦氏ということもあり、当然、モジュラリティの議論もバシバシ出てきます。ハイテク産業のキーワードなので、もしこの本を読んで、モジュラリティについて消化不良だった方には「モジュール化」をオススメします。

モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質 モジュール化―新しい産業アーキテクチャの本質
青木 昌彦 安藤 晴彦

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日本の競争戦略 日本の競争戦略
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※「モジュール化」や「日本経済 競争力の構想」に関連・言及しているこのブログのエントリ:
コンピュータ業界に訪れた転換点とは
コンピュータ業界でモジュール化が成功した幾つかの理由
「ソフトバンク、ボーダフォン買収で幕が上がる120兆円情報通信産業の波乱の行方」に参加して(2)


ソフトウェア業界の現実(の一側面)

前回、何のコメントもせずにイキナリ紹介したIDCのデータ(グローバルIT市場では、サービスが4割、パッケージソフトウェアが2割)だが、私はこれを見た時、パッケージソフトウェアの市場規模ってこんなに大きいのか!と意外に感じた。

これまでハッキリ書いたことがなかったが、ソフトウェア業界について私は幾つか仮説を持っている。

  1. 実はパッケージソフトウェアによってカバーされている領域はまだまだ限定的で、企業が使っているソフトウェアの多くはカスタムメイド(システムインテグレーションサービス)に依存しているのではないか。
  2. そして、パッケージソフトウェアの市場というのは、「以前はカスタムメイドだったものの標準化・テンプレート化」の繰り返しによって成長してきたのではないか。
  3. 今後も、パッケージソフトウェアは増加するだろうが、カスタムメイドの領域はなくならない。なぜならば、パッケージソフトウェアを使うということは、(厳密には違うのだが、極端に言い切ってしまえば)「他社と同じプロセス」ということだから。企業には必ず固有・独自のプロセスがあり、それが差別化・競争力の源泉のはず。
  4. 但し、逆に言えば、「今は単に標準化できるかどうかが分かっていないが故にみんなバラバラに作っているが、実は標準化できる領域」「企業固有のプロセスで、自分のコアコンピタンスだ、と思っている領域も、実はそんなに特別ではなくて標準化しても問題ない領域」というのも、まだまだ残っているのではないか。

ソフトウェアでベンチャー企業というと、みんな昨今はGoogleのような、広く世間一般の人に使ってもらえるものを想像するが、マイケル・クスマノ「ソフトウエア企業の競争戦略」では、ベンチャー企業へのアドバイスとして、企業向け(特定業界・特定業務の)パッケージソフトウェアを、サービスと組み合わせて売って行くのが現実解だろう、と結論付けている。(※この本の私のレビューはこちら

Software Magazineの"Software 500"(クスマノも本に参考資料として載せていた)を眺めると、幾つか興味深いことに気づいた。(そのうち気が向けばグラフを載せますが、気になる方はソースを見てみてください。会員登録すれば無料で見れます。表形式なので英語もそんなにないし)

  • ソフトウェア業界も、おそらくものすごいロングテールである。企業全体の売上高で見るとIBMとhpだけが突出して大きく、3位のMicrosoftの2倍以上になる。また、ソフトウェア+サービスの売上高に限ると、2位のMicrosoftは1位のIBM(注:IBMはグローバルサービスの売上高が大きいため、純粋にパッケージソフトだけではない)の半分の規模で、3位のOracle及び僅差で4位のSAPは、2位のMicrosoftの1/3。それから、ソフトウェア+サービスの売上高が$10 billionを超えているのは上位7社のみ。その後は、32位で$1 billion台($2 billion以下)まで下がり、60位以下は$1 billion未満。91位以下は$500 million未満(※1)
  • パッケージソフトウェア主体の会社よりも、コンサルティング・システムインテグレーション主体の会社のほうが多そうだ。上位50社でパッケージソフトウェアを売っている会社は16社程度(※2)だった。Microsoft(2位、$33b)、Oracle(7位、$10b)、SAP(9位、 $9.3b)、Sungard Data Systems, Inc(24位、$3.5b)、Avaya(25位、$3.5b)、Google(29位、$3.2b)Symantec(32位、$1.9b)、Amdoc(33位、$1.8b)、Intuit(35位, $1.7b)、Adobe(37位, $1.7b)、SAS(39位, $1.5b)、Siebel(42位, $1.3b)、Compuware(43位、$1.3b)、The Sage Group PLC(46位, $1.2b)、Acxiom(48位, $1.2b)、Novel(50位, $1.2b)
  • パッケージソフトウェアの大半は、大企業がターゲット顧客である。逆に、個人向け・中小企業向けがある程度の割合に達していると思われるのは、Microsoft、Google、Symantec、Intuit、Adobeぐらいだろうか。それ以外の会社は、最近は中小企業向けを謳っているところもあるが、実体はどうかは分からない。

これを見ると、クスマノが「コンシューマー向けの事業は難しい」というのも激しく肯ける。だからこそ、成功した時の見返りが大きいのだが。(※3)

そんなわけで、仮説1については、このランキングを見た限りでは、大体合っているように思う。仮説2については、以前、パッケージソフトウェア業界(主にOracle)で多少触れたが、特に企業向けの業務アプリケーションの分野では、あるパッケージベンダで働いている人がスピンアウトするパターンが多いことから、起業のパターンとして、「従来製品では対応できておらず、かつ多数の顧客にある程度共通している課題を見つけ、そこをカバーする新しい製品を売り出す」という構図が想像できるので、これもそんなに大きくずれてはいないように(勝手に)思っている。

残るは仮説3だが、これは、正直、2年以上前から気になってるけどまだ全然手が付いていないなぁ。。。。と思うので、追求の仕方はちょっと考えよう。

繰り返しになるが、全てをパッケージ化するのは無理だろうが、パッケージ化できる領域はまだたくさん残されているし、カスタムメイドのソフトウェアもパッケージも、今後もっと増えて行くだろう、と私は思っている。そもそも、世界には、まだコンピューター化されていない分野・コンピューターを使っていない人のほうが多いのだから。(これはクスマノの結論でもあるが。)

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Microsoft1社支配時代のパラダイムを変えようとするアジアからの動き

今日のIT業界で、パッケージソフトウェアを売る会社としてはおそらくMicrosoftが世界最大の企業である。IDCの予測で、グローバルのIT業界(ハードウェア/パッケージソフト/サービス)規模が$1,100 billion、PC市場は$200 billion台後半というのを見たことがある(但し、IT業界全体の予測と、PC市場の予測は、おそらく別立てなので、整合性が取れてるかどうかは未確認)。Microsoft1社だけで、売上高$40 billionぐらいある。規模は勿論、PCプラットフォーム上のビジネスに与える影響力の大きさという意味でもキーとなるプレイヤーなのだが、「次はどうなる?」というのが、おそらくこの業界に関わる人にとっては大きな関心事だと思う。

クライアントサイドにインストールするアプリケーションが基本だった時代から、所謂「あちら側」、サーバーサイドに移行するのか。そうなると、次世代のアプリケーション・サービス開発のプラットフォームはもはやWindowsではなくブラウザなのではないか、というような議論もある。

ThinkFreeも、そのような流れを体現しているが、ユーザビリティがここまで従来のアプリケーションに近づけるのか。。。と驚き、あれから妙に気になって、色々この会社のことを調べてしまった。

シリコンバレーの美味しいベト麺は、(少なくとも私がいた頃は)ベトナムタウンとして歴史の古い南サンノゼか、ベト街としては新興勢力のミルピタス方面に集中している。つまりアジア人の多く集まる庶民的なエリアということ。「シリコンバレー」と聞くと、「一億円で買えないような豪邸ばっかりズラーリ並んでるんだろうなぁ」と私も住む前は思っていたのだが、実はサンタクララカウンティの中でもかなり地域差がある。私の勝手なイメージだが、立ち上げの頃から「ベンチャー業界仲間内系」で注目されてて、「お願い投資させて」とベンチャーキャピタリストが群がるような会社は、スタンフォード大学のあるパロアルトにオフィスを構えることが多い気がする。

なので、創業から6年経っててベトナム人・中国人が多いエリアにオフィスがあるというのは、地道にじっくり商売してきている堅実な会社、きっと経営陣はアジア系に違いない!と予想したところ、やはり韓国系だった。

ThinkFreeのCEOは、TJ (Tae-Jin) Kang氏。トロント大学でコンピューターサイエンスと心理学の学位、認知心理学で修士号を取得している。1999年にVCから$24 millionの投資(現在までに合計$34 million)を受け同社を創業。ThinkFree創業前には1994年にNarasoftという会社を興した経験があり、ハングルのワープロソフト分野での経験が豊富のようだ。現在、ThinkFreeは、韓国のソフトウェア企業Haansoftの子会社になっている。Haansoftの2005年度の売上高が360億ウォン(≒36億円)。日本のパッケージソフト大手と比べると、ジャストシステムが122億円、サイボウズが60億円となっており、韓国は人口が日本の約半分なのでIT業界の規模も半分ぐらいだろうと推定すると、パッケージソフトベンダとしてはかなり大手なのではないか。ちなみに、Kang氏はHaansoftのVice Presidentにもなっている。CEOの次に名前が出ているぐらいなので、実力者なのだろう。

Haansoftは、日中韓で進めているAsianux開発にも参加している。2004年には、まさにそのKang氏が来日している。

韓国だけでなく中国、あと、日本も比較的そうかもしれないが、政府はオープンソースソフトウェアに熱心である。自国の産業振興と、セキュリティ面で、他国企業の製品に依存したくないという考慮があるのだろう。とは言え、幾らThinkFreeが(ひいてはHaansoftが)政府のバックアップを得ていたとしても、ここまで分かりやすく「打倒Microsoft」を前面に打ち出すというのがすごいと思った。1999年創業当時、そこまで考えていたか分からないが、「これからはASPだぁ!」「じゃあMS-Officeも要らないよね?」と言わんばかりのサービスを開始して、だけど当時はあんまり当たらなくて、MS-Office互換の安いパッケージ出して凌ぎつつ、今日ここまで来た、という背景を知って、

イノベーションは一日にして成らず

と改めて思ったのでした。

HaansoftのCEOご挨拶には、「昔は、IT業界は殆ど外国製品ばかりで韓国製のものは少なく、コンピューターではハングルすらうまく扱えなかった。弊社はハングル文字を扱う技術を通じて韓国のITの発展に寄与してきたという自負がある。今後は世界のリーディングカンパニーを目指す」というようなことが書いてあった。

私は、シリコンバレーで、IT・ハイテクのイノベーションのダイナミズムみたいなものを感じ、それに強く感化されたと思う。IPinfusionの石黒邦宏さん(10年連続で10万行コードを書いた天才プログラマ)がおっしゃっていたように、シリコンバレーも日本も、エンジニアの技術力とか開発ノウハウに、ものすごい差があるわけではないのだとしたら。企業がグローバルになれるかどうかは、もしかしたらヤル気があるかないかで差が出るのでは?と思ったことがあるほどだ。

だから、HaansoftのCEOのメッセージを見て、(国民性の違いもあるだろうし、韓国のIT業界の構図がよく分からないので、日本人が同様に行動すべきか断言はできないけれど、)この規模の会社が、パッケージソフトで世界一を目指すと言い、実際に数十億円相当をシリコンバレーでFundraisingして実行しようとしているという心意気には、素直に興奮した。

日本でも、メイド・イン・ジャパンのソフトウェアを世界に羽ばたかせようというコンソーシアムができたり、ソフトウェア産業の国際競争力を高めよう、という認識が高まってきてすごく嬉しい。

普段は、「日本のソフトウェアは絶対世界に通用するはずだ」みたいなことを書けば書くほど、「じゃあ、自分はそれに対して一体何がどれだけできてるんだ?」と考えてしまって落ち込むので、あまり書けないんだけど、ThinkFreeのことは同じアジア人としてとても勇気付けられたので、ここにご紹介しておきます。

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SaaS (Software-as-a-Service) もここまで来たか

ThinkFree Online (beta)のことは、PC Worldの記事で読んだ。
http://www.pcworld.com/article/id,127165-c,webservices/article.html

WritelyBasecampのことは前から知っていたし、多少触ったことがあったのだが、ThinkFreeのことは今まで知らなかったので、色々お試し中。

ThinkFreeは、元々、MS-Officeと互換性のある統合オフィスウェアのパッケージを開発・販売していた会社らしい。

ログインしてみて、わーユーザビリティがMS-Officeと全然変わらなーい、オンラインに保存するスペースが1Gもあるし、ローカルにダウンロードもできる!友達・同僚とシェアできて更新履歴も保持できる!他の人の公開されてるドキュメントを見たり、評価したり、タグ付けたりもできるのかー。え、ブログにポストもできるの?すごーい!スプレッドシートではグラフも書ける~!(Google Spreadsheetsではできないよね。。。)

と、ひとしきり「ほー」「へー」と驚いた後に、この会社の所在地を「もしや。。。」と思いながら確認したら、私の大好きなベト麺屋「Pho Kim Long」の近所だった。(って、シリコンバレーの地理を把握する基準がベト麺屋かい!と、自分に突っ込み。。。。)

PC Worldの記事にもあるように、確かに、ネットワーク接続環境の良くない時には若干イライラするかもしれない。でもアメリカのホテルって、最近急速にワイヤレスインターネットサービスを提供するところが増えてきてるし(場所によってはかなりの速度が出る)、あと、複数台のPCでデータを共有したり、リモートでワークシェアするときなんかは便利そうだ。