ハチミツとクローバー
パッケージソフトウェア業界(主にOracle)

第3四半期決算とM&Aにみるハイテク業界概況(ハードウェア編)

ハイテク業界の現在については、以前(半年~1年ほど前に)1社ずつアニュアルレポート等を元に、戦略や現在のポジショニングについて分析したことがある。その際に考えたこと・予想したことが合っていたのかどうか、検証してみたい。

※過去のエントリ:IBM, hpとSun Microsystems, Dell, Apple

業界全体および以前分析した企業について私がまとめたポイントは主に下記の通り。

  • PCは上流までかなりアウトソーシングが進んできており、台湾等アジアでの設計・組立が主流になりつつあり、所謂「体力勝負」。R&Dのメジャーな分野ではない。
  • 従って、PC市場の主流派は、オペレーション勝負。コストコントロール力、顧客へのチャネルを有する企業が有利に戦いを進めるだろう。故に、Dellが引き続き最も優位。hpは、収益に繋がっていないR&Dをいかにコントロールするか(それだけの予算を突っ込むほどのイノベーションを近年は生んでいない)がカギ
  • Appleは独自路線を追求した「差別化戦略」、高収・高益のiPodをテコにどこまでWindowsユーザーをスイッチさせられるか(いずれにせよ現在の市場シェア5%をそれほど大きく伸ばすことはないだろう)
  • サーバーは、ハイエンドはIBMの独壇場、ローエンドはPCサーバやLinuxの伸びが目覚しい。間に挟まれたSun Microsystemsは苦しいところだが、今後どのように活路を見出すのか注目したい。
  • ハードウェアよりも利益率が高いソフトウェアビジネス、および安定的収入・利益をもたらすサービスビジネスとのバランスに注目して見ると、ハードウェアを有する企業の中で、最もソフト・サービス分野でバランスよく成功を収めているのはIBM。

直近の第3四半期決算や、その周辺で拾ったニュースでアップデートすると、

まず、CEOが交替したhpだが、かなり厳しくコスト削減政策をとった結果、第3四半期は売上5.4%アップ、PC事業の利益率も2.6%から4%へ改善した。プリンタ事業部門も売上高5.4%アップ、営業利益は15%アップ。ソフトウェア事業も3割売上が伸び、昨年の赤字から黒字に転換した。ソフトウェア事業においては、今年7月に$4.5 billionでMercury Interactiveという会社を買収している。この会社が提供しているのは、企業ユーザーがアプリケーションを管理するためのソリューションらしいので、おそらくhpのソフトウェアのコア製品”Open View”の強化・拡大や、旧DECのコンサルティング・SI部隊へのテコ入れと見て良いと思う。

しかしながら、コアのPC・サーバー分野の業績改善が主にコスト削減によって得られたものだとすると、その効果は一時的であり、今後、長期的にはどのような戦略・オペレーションを実装して行くかがカギになるだろう。また、ソフトウェア・サービス事業を伸ばしていくのだとすると、IBMとのバッティングをどのように回避するのかも気になるところである。

一時的かもしれないとは言え好調だったhpに対して、苦しそうなのはDellである。(hpは、Dellのリコール問題によって漁夫の利を得たとも言える)Built-to-orderの生産プロセスとサプライチェーンの優位性が売りだったはずだが、既に部品仕入れの原価は叩けるだけ叩いており、限界を超えているのではないか?という指摘を以前のエントリで受けたのだが、そうするとDellの残る強みは顧客のマインドシェアということになる。この1-2年、顧客サポートに対する満足度が悪化して来ていたところに加えて、400万台のリコールである。経済面のみならず、企業イメージに与えた影響は大きいだろう。

PC業界の今後を占う上では、プロセッサに注目すべきだと考えている。過去は「速いこと」、次いで「電力を食わないこと」が重視されてきたわけだが、今後の競争の力点はどこに動くのかに興味を持っている。

AppleはIntelを採用し、Mac OS上でWindowsアプリケーションを動かすためのBoot Campを提供した。Dellは、ラップトップにおける更なるコスト削減を目指してAMDとの関係を強化すると言う。そのAMDは、コンピューターグラフィックスに強いチップを提供しているATIを$5.4 billionで買収することを7月に発表している。PCに要求されるグラフィックスのスペックが今後高くなるのはまず間違いないだろうが(来年出荷されるWindows Vistaは3D機能を持つと言うし)、PC内部で、マイクロプロセッサは更に周辺部品・機能を統合して行くのだろうか?IntelやAMDのR&Dのパイプラインや買収先企業には引き続き注目したい。

クリップは随時しているのだが、落ち着いて書く時間がなくて(夏バテ+出張疲れ。。。)かなり四半期決算から時間を置いてからのエントリになってしまって反省。長くなったので、ソフトウェア編は別途としたい。

それと、今回はカバーできなかったトピックとして、IBMが売却したPC事業を回しているLenovoはどうなんだろう?(うまく行ってるのかどうか)という点が個人的には気になっているのだが、ウォッチしきれてない。

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