品質崩壊
May 19, 2005
日経ビジネス(2005年4月25日・5月2日合併号)の特集は「品質崩壊」でした。
以前紹介した、InformationWeekの記事で、GMでは自動車製造コストに占めるソフトウェアの割合が1/3にも達している、というのが、トヨタでも同じ状況だということが分かりました。
ただ、日経ビジネスで言われているように、ソフトウェアの品質管理が、プロジェクトの規模拡大に伴ってますます大変になっている、というのは理解・納得できるのですが、(くどいようですが)本当にソフトウェアの品質がハードウェアに比べて悪いのかどうかはやっぱりまだ腑に落ちません。ハード不良とソフトのそれとを比較可能なメトリックスは、何かあるのでしょうか???
ちなみに、自動車とソフトウェアの品質・生産性を比較するのであれば、
自動車というと製造工程に脚光が浴びがちなのだが、実はむしろ製品開発工程との比較において語るべきではないか
というダンナの意見に私は賛成です。自動車は、いったん仕様が決まったものを、鉄などのメディアに繰り返し落としこんでいく、量産のプロセスが競争力に与える影響が大きいという点で、ソフトウェアの製造とは違うと思うので。
以下は日経ビジネスのメモ。
- 最新機種の携帯電話のプログラムは500万行。チェック項目は50万以上。1985年の第3次オンラインシステム(銀行)に匹敵する規模。ちなみに、iモード以前の1998年に比べると約12倍。
- 「走るソフトの固まり」トヨタのハリヤーハイブリッドは1000万行以上のプログラムを搭載。同社最大。開発要員は約200人(最盛期)で2年間掛けて開発した。70~80年代にかけてエンジン制御が電子化されてから、自動車製造にソフトウェアが登場するようになった。
- アメリカの部品サプライヤ・デルファイによると、1990年からの10年間でソフトは10倍に増え、2007年には33倍以上にまで膨れ上がると予想されている。
- トヨタは2004年9月「JASPAR」を立ち上げ。業界ソフト開発のプラットフォームの共通化を狙う。
- 下請構造の多階層化、そしていい加減な仕様、品質管理の甘さから、崩壊寸前の状態にある開発プロジェクトが多数。
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