変貌しつつあるメディア(糸井重里氏インタビュー)
20世紀最強のCEO (ジャック・ウェルチの講演を聞いた夜)

時を告げるのではなく、時計を作るということ

先日、JTPAのセミナに参加して、パネリストの皆さんのスタンスの違いを興味深く(あるところには共感し、あるところは自分とは違って、参考になった)伺いました。とりわけ、「コメンタリーよりもファクトに興味がある」千賀さんはサイエンティストなんだなあ~と感じたのですが、私は、事象を引き起こした人間の「動機」「人間の間の相互作用」にもかなり興味があります。なので、一流の人の話を聞く、あるいは一流の人の自叙伝を読むのはけっこう好きです。一流の人というのは、いるだけで周りを元気付けるし、その場の空気を変えるパワーがあると思うので。

そんな私が一番最近会った(というか見た)超一流の人は、元GEのCEO, ジャック・ウェルチです。

最初、彼がステージに出てきたときは、案外小柄なことと、70歳という年齢を感じましたが、話し始めた途端ほとばしるエネルギーに、「これがGE帝国を作り上げた人のカリスマというものか」と圧倒されました。(GEは、少なくとも20世紀のアメリカでは最も長く繁栄した大企業であるという点で極めて特異な会社だと私は思っています)

彼の話は、内容も、表現も、極めてシンプルでした。

リーダーとして大切なのは「相手に理解させる」ことだとすれば、彼のコミュニケーション能力は、大規模な事業会社のトップマネジメントとしては「極めて高い」と言えると思います。

彼の話で最も印象的だったのは、観客からの「リーダーを育てることが大事なのはよく分かるが、どうやって理想的な候補(確か"ideal candidate"という言葉を使った)を見つければ良いのか?」という質問に対するウェルチの回答「その人を見れば、リーダーの資質があるかどうかはすぐ分かる。本能的なもので、理屈ではない。」「結果だけ出せば良いと言うものではない。GEは大きな会 社。個人の力でその場限りで成功するやり方ではなく、GEのやり方・理念に従って行動することが大事。チームで物事を成し遂げなければならない。」

一人の人間ができることには、限界があります。

時を告げる能力があれば、みんなに感謝されるが、その人が死んでしまえばそれまで。カリスマを持った個人の時代を超えて繁栄し続ける、優れた組織を作ることというのは、永遠に時を告げ続ける時計を作ることだ、という喩えがありますが(ビジョナリー・カンパニー)、今日高く評価されるウェルチの経営手腕、GE復活の舞台裏には、彼が見出した多くの優れたリーダー達がいたのでしょう。

実は私は以前にも、GEやウェルチの研究本を色々読んだことがあったのですが、やっぱり実物はすごかった(笑)です。ありきたりな感想で恐縮ですが。ただ、数少ない経験からの勝手な意見ですが、会って話を聞いて「すごかった~!」と思える人とそうでない人、っていると思うので、ウェルチは会って感激するタイプの人だった(少なくとも私にとっては)んだな、ということが分かっていただければ。比較的短い話だったのですが、決断力・実行力・信念の強さなど、これまで読んだどのウェルチ本よりも、色々な示唆を受け、大いにインスパイアされました。

おそらくリーダーシップの発揮の仕方は人それぞれだと思いますし、自分自身を振り返っても、まだ考えている途中ですが、今の私にはとても響くところがあったので、ブログに書いておきます。

Comments

The comments to this entry are closed.