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Season's Greetings

アメリカは、明日が祝日なので、既に今週始めから休みという人も多いようです。私も明日からお休みをいただき、ちょっと旅行に出かけてきます。年内はおそらくこれが最後の更新になると思います(気が向けば旅行の合間に何か書くかも)

2004年は、公私共に本当に色々なことがありました。色々な方にお世話になりましたし、色々な方からたくさんのことを学ばせていただきました。ブログを通じて全く面識がなかった人と知り合いになり、実はリアル世界でも友達の友達みたいな関係だったことが分かったり、会った方が、実は会う前からブログを読んでいてくださっていたり。ブログの社会的意義、みたいな難しい話はさておき、私はブログやってて良かったことがたくさんありました。読んでくださった方、感想を寄せてくださった方、そしてオフでお世話になった皆さん、本当にどうもありがとう。

それから、「書き続ける」ということは、人との出会いのみならず、自分自身が「良いと思えるもの」を見つめなおしたり、自分の考え方・行動・人に接する態度を反省する良い機会にもなりました。

お蔭で、自分がどんなことを面白いと思うのか、何をやってみたいのか、少しずつ見えてきたので、来年は(今年も少しずつそうなってきたとは思うけど)ブログを通じて表現することは勿論、行動する年にしたいなと思っています。

今年もお世話になりました。来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
皆さんも、どうぞ良い年をお迎えください!!


民間企業がリードするアメリカのR&D

MITのTechnology Review 12月号に、R&Dに関する面白い記事がありました。有料雑誌なのであんまり引用はしませんが、印象的だったポイントをメモしておきます。

  • アメリカにおけるR&Dは、圧倒的に民間企業がリードしている。2003年、連邦政府のR&D予算は$22.3B、大学は$35.9B、民間は$253.2B
  • 世界で最もR&Dにお金を掛けているトップ5社で、連邦政府と大学のR&D予算を上回る投資をしている
  • 世界で最もR&Dにお金を掛けているトップ150社のうち、アメリカは42%、ヨーロッパ33%、日本は25%
  • R&Dへの投資額や、伸び率は、業界や会社によって大きな差がある。伸びが著しいのはライフサイエンス、落ち込みの激しいのはテレコム

ちなみに、世界で最もR&Dにお金を掛けているのはFord。上位15社に占める、アメリカ企業は7社、自動車メーカーは5社でした。但し、対売上比でみると5%程度で、パーセンテージだけ見ると、バイオやソフトウェア、半導体の半分以下なので、要は売上が大きい、ということかもしれません。

R&D予算の対売上比や、R&D予算の伸び率と、その業界・会社の成長度の関係を調べてみると面白いかもしれないなあと思いました。あと、国別でも見てみたい。勿論、お金さえ掛ければよいと言うものではない(使い方にもよりそうだし)でしょうが。


ベト麺Lover, ベト麺を作る

Pho

シリコンバレーの景気復活の煽りを受けてか、隊員一同忙しく、最近はあんまり「ベト麺's Club」の活動も活発ではなかったのでした。

私自身、同居家族が増えてから殆ど外食しなくなったので、ベト麺に対する情熱や味覚が衰えてきて良くないなあ(←なぜ?)と思っていたこともあり、遂にPhoを作ってみました!!

材料は、

  1. 丸鶏 1羽
  2. もみじ(鶏の足) 1Kg弱
  3. しょうが こぶし大
  4. 干しえび 400gくらい
  5. ニョクマム (適当に味見しながら入れたので量は良く分からない)
  6. 麺(米でできた乾麺)
  7. トッピング (今回は、バジル、もやし、ライム、万能ネギを用意。パクチーを買い忘れてショック)

作り方は、

  1. 丸鶏、もみじをよく洗う
  2. 大きな鍋にいっぱい水を張り、1としょうがを入れて、あくを取りながら2時間煮込む(スープストックができあがり)鶏は、肉をむしって具にする。
  3. 2で作ったスープストックに干しえびを入れて更に煮込む。えびの良い香りがしたら、スープを漉す
  4. ニョクマムと塩で味付け(Phoのスープの出来上がり)
  5. 麺をゆでる
  6. 5が出来上がったら、丼に麺・チキン・ねぎをのせてスープをよそう

だいたいこんな感じです。この本を参考にしました。

ベトナムの料理とデザート
P.T. トウェン

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コツとしては、スープストックを作ったときに、キッチンペーパー等で余分な脂や不純物を漉すと、スープがクリアになって、出来上がりがおいしくなるようです。

気になるお味ですが、ちょっとスープ分量に対して干しえび入れすぎてしまったからか、少し塩味強めになっちゃったのですが、とはいえ、最初のスープストックがとてもおいしくできたので、なかなかでした!あと、何気に麺がうまかった。これまで私が食べたことがあるベト麺(アメリカと日本で)の中で一番麺がうまかったのは蒲田「ミレイ」(総じて日本のほうが麺のレベルは高く、こっちでは、だいたい、丼の中で団子状態になって固まってることが多い)ですが、この写真のPhoの麺は、ミレイを彷彿とさせました。自分ちで作り、旦那に麺をゆでさせておいて言うのもなんですが。

麺は、Sunnyvaleで一番おいしいPho Binh Minh Sunriseのあるモールにある「新永源市場」という中華・マレー系スーパーで、Three Ladies Brandというタイ産のブランドを購入しました。他のももっと試してみなきゃなあ。ちなみに、ここのスーパーにはニョクマムやライスペーパーは勿論、ドリアンアイス等、エキゾチック(笑)な商品が色々あって見るだけでも楽しいです。丸鶏・もみじは、CupertinoのMarina(こっちは確か「永和市場」)で購入。


イノベーターの会社の歩き方・興し方

更新が滞っていた間、というか、多分それ以前からずーっとアレコレ考えていたのですが、「下手の考え休むに似たり」というわけで、とりあえず今の時点で思うところを思うままに書いておきます(最近多いな…。こういうの。調べたり勉強する余裕がないってことなのかも)

挑戦者の背中で、日本人起業家・鷹取さんの会社の歩き方が印象的だったと書いたことがあります。

日立で通信業界向けの半導体設計→Intelからスピンアウトした、同じく通信業界向けの半導体(それもDSLに特化した)スタートアップ・Level One Communicationsへ転職→IPO→Level OneがIntelに買収される→IntelからスピンアウトしてKeyEyeを創業

大企業からスピンアウトしてM&Aされ、そしてまたスピンアウトする、という、同じ人が業界の中を行ったり来たりしながらイノベーションを続ける様は、極めてシリコンバレーらしいし、シリコンバレーがなぜ「イノベーションのメッカ」なのかを如実に示している典型だなあ、と感じたからです。

ちょっと「イノベーションのジレンマ」のおさらいをしますと、同書は、市場に破壊的イノベーションが起こるとき、新しく小さな会社に従来のリーダー企業が脅かされる、という構図を提示しています(本のサマリと私の書評は過去のエントリでご参照ください)

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき
クレイトン・クリステンセン

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そして、大企業が、破壊的イノベーションによる市場の変革にうまく対応していくためには、

    既存のビジネスとカニバライズするかもしれないし、既存の優良顧客とは異なる層を相手に、成功するかどうかも定かでない技術に投資して、企業の成長に対するプレッシャーと調和させるためには、既存ビジネスの枠組みからはなれた小規模な組織に任せるべし

とクリステンセン教授は主張しています。

半導体業界は、一見変化が激しそうな世界ですが、一つのチップをR&Dから製品化まで持っていくには5年は掛かるので、R&Dのリスクが高いと聞いたことがあります。更に、近年、R&Dコストは、業界的に着実にあがっています(下のグラフ参照。出典はElectronic Business)。従って、高いR&Dリスクをいかに分散するかが雌雄を決するように思うのですが、Intelの戦略は、まさに、高いリスクをスタートアップに乗せて、一旦外に出して分散する(そしてある程度うまく行ったらまた買い戻せば良い)というものだからです。

Steadygrowthinrd

ここでは半導体とIntelを例に挙げましたが、こういう人は特殊ではなく、シリコンバレーで「連続起業」している人はみんなこんな感じなのではないかと思うほどです。例えば、業務アプリケーション市場では、高価なソリューションを買う体力のある会社の需要は一巡し、PeoplesoftはOracleに買収されそうだし、SAPはMicrosoftに買収されるという話があったし、Siebelは、中小企業に触手を伸ばし始めており、典型的な市場飽和が起きている状態です。その中で、気を吐いているのがASPとOpensourceで、Salesforce.comのCEO, Benioff氏はOracle出身だし、Sugar CRMの創業者はePiphanyの出身。

既に市場が成熟して来た商品を売っている大手企業に勤めていた人が、「もっと市場は小さいかもしれないけど、小さい会社なら大丈夫だし、売れる」と見切りを付けてスピンアウトして行っている、という様子が今はむちゃくちゃ分かりやすいですが、こういう例はちょっと調べただけでゴロゴロあるのでいちいち挙げません。

シリコンバレーを見ている限り、ある業界におけるイノベーションというのは、どこか遠いところからやってきた黒船みたいなものではなく、内部から起こっており、あえて俗な言い方をすれば、みんな仲間内系なのかもしれないなあ、というのが(駐在員というアウトサイダーの立場から見ている)私の今の感想です。

さて、今回半導体業界とIntelについて少し書いたのですが、実はIntelは、マイクロプロセッサ事業があまりに大きすぎ、自前のR&Dが強すぎるため、M&Aはあんまり得意でない会社だというのが、鷹取さんや元インベストメントバンカー東恵美子さんの共通した見解で、印象に残っています。

そんなIntelが、電話という世紀の大発明を成し遂げた元祖イノベーター(笑)グラハム・ベルの系譜を継ぐ、AT&TとR&Dのジョイントプロジェクトを始める、それもVoIPに関する、という最近のニュースは注目していました。

VoIPは間違いなく通信業界の破壊的イノベーションだろう、と思いますが、マイクロプロセッサ以外の技術では評価が高くないIntelと、どちらかというとVoIPに駆逐される側で何とか逃げたいはずのAT&Tという2社が一体どういう成果を出すのか、ちょっと気になります。


自動車製造におけるソフトウェアの重要性

少し古い記事なんですが、書き忘れていたので(おい)、アップしておきます。

GM Expects More From Software And Vendors (InformationWeek, 10/25/04)

この記事のメインは二つ。一つ目は、ITアウトソーシングの話なのですが、今回言いたいこととは関係ないので紹介は省略します(興味がある方は原文をどうぞ)。

で、二つ目は、ITが、バックオフィスのサポートのみならず、自動車の生産そのものにおいて重要な役割を占めるようになってきたとのこと。

    Now, software and electronics are the biggest single expense in the production of a vehicle, accounting for a third of the cost, Scott said, and that trend will accelerate. The lines of software code in a GM car, which grew from 100,000 to 1 million lines between 1970 and 1990, will reach a staggering 100 million by 2010, Scott predicted. "What that tells me is that GM's going to have a major software problem between now and 2010, and we're going to need your help," he said. For example, software vendors will be required to include their products in the bumper-to-bumper warranties.

今では、自動車生産に占めるコストの3分の1がソフトウェア になっており、GMの車一台の中のプログラムは、1970~90年の間に10万行から100万行に増え、2010年には1億行に達するであろうとCTOは予測している。

以前、私は、オープン・アーキテクト化のパラダイムシフトは自動車業界に訪れるかというエントリの中で、「現在、日本が自動車産業ではCompetitiveなのは、モノ作りにおける、組織間・部品間の統合度の違いである、という主張があるが、もしかして、自動車そのものがソフトウェア化されていけば、状況は変わって行くのではないか?」と書いたことがあります。

一億行のプログラムというのが、一般のOSや、組み込みのソフトウェアと比べて多いのか少ないのかイマイチ感覚が分からないし、自動車全体の機能に占める重要性はこれだけでは判断できませんが、いずれにせよ、製造工程に占める重要度が年々高まってきていることは事実と言えそうです。


Zion and Bagdad Cafe

先週はThanksgivingのお休みだったので、ザイオン国立公園と「バグダッド・カフェ」に行って来ました。4泊5日で合計1,500マイル(もちろん運転は夫と交互に)ほど走りました。街から一歩車で外に出ると、「アメリカってむちゃむちゃ広いんだなあ」「殆どの場所は田舎なんだなあ」と痛感できるので、面白いです。

気楽な気持ちで訪れたヨセミテでアメリカの国立公園の魅力に取りつかれ(こういう日本人は西海岸には多いと思う)以来、休みといえば国立公園へ行ってるような気もしないでもないですが、今ではてくてくのんびり歩くだけなら(岩登ったりはできません)3-4時間のコースは踏破できるようになりました。

Zion1_4 ザイオンへはお正月休みにも行ったのですが、前回は雪と氷で道も悪かったし、トレッキングコースも閉ざされているところが多かったので、今回はかなり楽しめました。
Zion4_1 Hidden Canyonと言われる見どころへ行くコースは、「高所恐怖症の人にはオススメしない」と注意書きがあったので、一体なんで?と思ったら、こういう道のりでした。

グランドキャニオンは、普段着で来てパノラマ景色を楽しんで帰る人と、谷底まで1日がかりで歩いてキャンプして帰って来る気合の入った猛者と、両極端な観光客がいるのが面白く、とにかくそのスケールのでかさに圧倒されますが、ザイオンは、もっと自然を身近 で感じられます。草木や湖(というか水溜りに近い)の息吹を感じられるのも清々しいです。

田舎へ行くとどうしてもこてこてのアメリカンな料理が多くなるので、胃がもたれがちなのが玉に瑕ですが、ザイオンのお膝元には、Zagat Ratedな店が2軒もあることが判明。うち1軒へは行ってみましたが、ハーブや野菜の味が活かされていて、なかなかおいしかったです。

帰りがけ、ちょっとだけ(片道20マイルほど)寄り道をして、ルート66へ。 映画「バグダッド・カフェ」が撮影された店が実際に存在する!ということを最近知り、今回の目的地に近かったので、行ってきました。

バグダッド・カフェ 完全版
マリアンネ・ゼーゲブレヒト パーシー・アドロン

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2003-04-25
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うだつのあがらない冴えない面々が、まるで互いの傷を舐め合うかのように寄り添っているバグダッド・カフェ。モハベ砂漠の真ん中にぽつねんと枯れ木のように存在していたモーテルが、あるドイツ人女性の登場で、まるでオアシスのように瑞々しく息づき始める…というハートウォーミングなドラマです。

主要な登場人物は10人程度だし、舞台はひたすら砂漠、そして荒れ果てた一軒のモーテルという非常に地味な映画なのですが、砂漠の黄色や夕日の赤、真っ青な空という強烈な色彩のコントラストが美しく、ヨーロッパ映画らしい、独特の温かい余韻を残してくれます。ちょっと心がパサパサした時に観ると「人生って、そんなに悪いものじゃないよね」という気持ちになれる(笑)ので、オススメです。

現地へ行って見ると、店の前に給油機とタンクがないぐらいで、映画の世界そのままでした!

Bagdadcafe1

オーナーは、映画と正反対のとっても愛想の良い白人女性で、ゲストブックや世界中から来たお客さんからのハガキや写真を見せてくれました。ゲストブックを見るに、映画「バグダッド・カフェ」が人気を博したのはフランスと日本、そしてヨーロッパ(ドイツやベルギー)だったようです。店内には、なぜか宮崎県方南町(だったか、川南町だったか、記憶曖昧…)の地図まで貼ってありました。

渋滞さえなければ、ラスベガスから車で片道2時間くらいだと思うので、ベガス方面へお出かけのヨーロッパ映画ファンはぜひ一度訪れてみてください。夫が学校の友達から貰った「地球の走り方」という本(なぜかアマゾンでは見つからない…)の、超大雑把な地図で行きましたが、周りにホントに何もないので、道に迷いようがないです(笑)暖かい日なら、バイクやオープンカーで走るのも気持ち良さそうです。