どうなる米国の労働市場 (2)
第五の権力 アメリカのシンクタンク

アドバイスの聞き方 (SHIHOスタイル)

実は先週、休暇で日本に一時帰国していました。

期間が短いので、残念ながら、あんまりたくさんの人とは会えなかったのですが、その中の1人からいただいた本が「SHIHOスタイル

モデルさんって、一体どういう生活をして、どういう仕事なのか、実はあんまりよく知らなかったのですが、よく考えてみたら分野は違っても、同年代の働く女性なので、その言葉には共感するところがたくさんありました。


  • オーディションに通るコツは、ある。
  • 何かがダメなのは、自分に「足りないもの」があるからである。
  • モデルの「華」は、その人が自分の考えを持っているかどうか、どういう生き方をしているかで決まる。
  • 撮影(仕事場)の雰囲気が良くなるように気を付ける。

その可愛くて明るい笑顔で同性に支持される彼女も、かつては、その「普通っぽさ」がコンプレックスで、外国人モデルに憧れ「もっとお洒落な、ファッションっぽい仕事がしたい」と、スランプに陥ったそうです。事務所を変わる覚悟で社長に直談判までした彼女は、持ち前の可愛らしさ以外の武器を身に付けないと次のステージにはいけない、という社長の厳しい指摘にめげることなく、自らの魅力―自分の「引き出し」の再定義に挑んだのでした。

宣伝用の写真を撮り直す。やりたい雑誌社に顔見せにいく。カメラマンに挨拶にいく。オーディションに応募する。「どの服を、どういうシチュエーションで着た時、どういうポーズ、どういう服の見せ方をすれば、服が生きるか」を考えながら雑誌を読む。

彼女の職業を、自分の肉体とファッションを通じて、ライフスタイルを表現・提案することである と定義するなら、文章や情報、具体的な製品を通じて、新しいライフスタイルを提案する、マーケターの仕事と、根っこのところでは共通するところがたくさんあります。自分の「引き出し」にするつもりで雑誌を読む、などというのは、まさにその通り。

印象に残ったのは、著者・中谷彰宏が分析する、SHIHOさんの魅力の秘密の一つは「吸収力」である、ということでした。

周りにいる、色々な人が、それぞれの価値観で、色々なことを言うけれど、「社長は、いつもいいこと言う」「社長に言われたことは、まずは1度は試してみる」そして、自分の体験にひきつけて、自分のモノとして語れる、というのは、アドバイスを聞く力を持っている、ということなのだろうと思います。

これは、簡単なようでいて、とても難しいことです。

良薬は口に苦し、というように、得てして、真実を突いた言葉ほど、耳に逆らうからです。
私から見て、アドバイスを聞く力を持っている人は、自分の力―足りているところ、足りないところ―を理解し、足りないところを、どうやって伸ばそうか、と常日頃から考えている人 だと思います。

昔の上司に、成果物を他の人のと比較されて、思わず膨れてしまったことがあるのですが、その時に、「成長し続けたいなら、自分より優れたものを持っている人に出会ったら、その人の得意技をどんどん盗み取れ」と叱咤激励され、はっと目が覚めたことがあります。完璧な人なんていないのだから、成長するには常に学び続けなければならないし、自分の足りないところを指摘されたぐらいでいちいちヘコんでいては身が持ちません。

「アドバイスの聞き方」と対になる話として、他人に受け容れられやすい「アドバイスの言い方」についても、色々考えさせられた本でしたが、「言い方」については、またいずれ。

この本は、仕事と恋愛のバランスに悩んでいる働く女性や、そういう悩みを持つ女性を彼女・奥さんに持つ男性、モデルや向上心ある女性と付き合ってみたいが、そういう彼女が何を考えているのか知りたい、という男性にもオススメです。

以下はこぼれ話ですが、今やファッションモデルという枠を超えて活躍しているSHIHOさんが、モデルの道で生きていく覚悟を固めたキッカケは、実は失恋だった というエピソードや、それを公にする潔さが、世の女性の共感を呼ぶ、彼女の魅力の秘密なのかもしれないですね。

また、これはSHIHOさんではなく、中谷彰宏が出した言葉ですが、「好きな人のアウトプットではなく、インプットを真似しよう」 手塚治虫のマンガだけを読んでも、手塚治虫のような漫画家にはなれない、なぜなら彼はマンガ以外の色々な分野の勉強をしたからああいう作品を描けたからだ、という話には、なるほど!と思いました。

Comments

大熊

Tomomi-san

実は僕もこの“SHIHOスタイル”という本を買って読みました。
僕がこの本を手に取ったのは、彼女が週末のFMラジオでしゃべっているのを何度か聞き、ちょっと興味を持ったからです。
この本における僕のツボは、SHIHOさんの生き方とともに、中谷彰宏さんが、限られたインタビューを通じて読者のニーズに応える本を書いてしまっているところです。
限られたインプットから最大限のアウトプットを出すという観点からも非常に参考になる本だと思っています。

何か面白い本の感想を書くな~と思い、嬉しくなりコメントしてしまいました。それでは次のエントリも楽しみにしています。

Tomomi

大熊さん、こんにちは。

確かに!あの本の元ネタになったインタビューの長さはどれくらいだったのか、中谷彰宏が何時間で書きあげたのかは、私も気になりました(笑)

SHIHOスタイルに関しては、2回に分けて対談したとあった気がするので、おそらく初回インタビューで文章をおこしてみて、足りないところを2回目に掘り下げたんじゃないかなあ、と思ってみていました。

実は私も、恥ずかしながら、起業家インタビュー記事を書くべく挑戦し始めているのですが(まだ公になったアウトプットはない)インタビューって「聞き手」のスキルが非常に重要なのですよね。文章力だけでなく、相手やその専門分野に対する知識や、リアルタイムでのコミュニケーション力も必要ですし。あと、一番大きい(と私が思う)のは、「その人に、どういう光を当てるか」編集スキルでしょうか。同じ人に関して書いても、聞き手(書き手)によって全然違うものが出てくると思うので、それが面白くもあり怖くもあります。

また、これは私が素人だからかもしれませんが、インタビューの相手に「惚れた!」ぐらいの思い入れがないと、どうも筆が乗らないのですよ。。。。

そういう意味でも、この本は、中谷彰宏とSHIHOという2人が見せてくれた、打ち上げ花火のようなコラボレーション(…と書くとちょっとカッコよすぎ?)とも言えるかもしれませんね。

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