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Appleの描く世界観

昨日、AppleのWWDC (World Wide Developers Conference) でのSteve Jobsの基調講演に行ってきました。

今回の発表は、最近のAchievementや、サードパーティの面白いアプリケーション、新しいディスプレイ(最大30インチ!!)、そして次期OS "Tiger"の新機能デモ、というのが主な内容でした。

参加した感想ですが、

やっぱり実物は凄かった

です。

聞きしに勝るSteve Jobsのカリスマと、Appleが描く世界観、そしてそれに共感・支持する人々のコミュニティの熱を感じました。いまはApple本社の近くに住んでいるにも関わらず、私はMacユーザではないので「近くて遠い会社」だったわけですが、

これまでMacを使っていなかった自分は、ちょっと人生損してるんじゃないか?

と感じさせられたほどです。まさにJobs マジックに掛けられた気分でした。それでも、よく知る人に言わせれば、昨日は、ラストの決めに来る目玉がなかったので、ややプレゼン自体は本調子ではなかったらしく、あれでイマイチだとすると、乗りに乗った時は、さぞかしすごいのでしょう。

ちなみに、私が講演に参加するに当たって、頭に置いていたポイントは以下でした。


  1. Appleは、何をコアコンピタンスにし、何を/どう外部へ切り分け、パートナー/ディベロッパーと付き合うのか(IT業界でのオープン・アーキテクチャ化、モジュール化の動きをどう捉えているか)
  2. どのような差別化戦略を取って行くのか(デスクトップPCのOSはMicrosoftの寡占市場のため、AppleがMicrosoftと戦うためには真正面からでの勝負は難しいと思われるため)
  3. Tigerの目玉は何か(Longhornは「セキュリティ」「サーチ」だが、Appleはどこに目を付けたのか)
  4. どこを儲けどころにするのか(付加価値の源は何なのか)

以下、これらのポイントについて私が講演を聞いて受けた印象から述べます。

Apple製品について、私が一貫して受けた印象は、

絶対に必要・ないと困るというものではないが、生活の中で「あぁ、こういう風にこれを使ったら、楽しいだろうなぁ、素敵だろうなぁ」と、より良い、スタイリッシュなライフスタイルを提案する

というものでした。

Airport Expressを使って、Mac経由で各部屋にあるステレオに対して音楽を配信する、写真をオンラインに載せたり、スライドショーを作ったり、それをDVDに焼いたり、自宅をスタジオにして楽器演奏を楽しんだり、というエンターテインメント系の訴求力や、自分が実際にMacを使って仕事をするこういうシチュエーションで、この機能をこう使う、というように、とにかく、ユーザが実際に製品を使う場面のストーリー作りが抜群にうまいと思いました。

インターフェースが洒落ているのももう一つの特徴です。今回発表されたTiger新機能の中には、ファイルのメタデータを元にローカルディスクを検索する機能Spotlightも含まれていましたが、選択された箇所が、ポワンと、それこそスポットライトを浴びているかのようにハイライトされます。iChatでは、同一ウィンドウ内で複数人と同時にヴィデオカンファレンスが可能になるそうですが、単に画面を分割するのではなく、合わせ鏡のように角度を付けてそれぞれの人を表示したり、しかも、鏡のように、下にそれぞれのヴィデオが反射して写っているところなど、とってもお洒落で感心しました。

そして、そういう遊び心に共感し、喜べる人が、Macユーザとしてこの会社を支えているのだろう、ということが、会場から湧き上がる歓声・拍手などのリアクションからも伺えました。iPodユーザが街中で出会うと、お互いのイヤホンをお互いのiPodに差し込んで、相手の音楽を聴く、などというエピソードも、Appleの描く世界観、ライフスタイルに対して共感するもの同士の連帯感から生じるものだと思うので。

価格ではなく感性に対する訴求力と、それに共鳴する人々(顧客、従業員、デベロッパー)の高いロイヤルティ

という特徴を、Appleという会社から感じました。

また、こういった一貫性を生み出すにあたってのSteve Jobsの手腕は大きいのだろうなとも思いました。

噂には聞いていましたが、「顧客であるあなたが、Macを使ってこういうことをするときに…」という説明・デモを自分で行うので、ストーリーが非常に一貫していて、「これがAppleが提案する世界」というのが明快です。しかも、説明もデモも非常にスムーズなので、いかに彼が真剣にMacを使いこなそうとしているか、よく理解しているか、その熱意は、顧客にも、彼の部下にも、ダイレクトに響くに違いありません。現役並びに元Appleの社員の方々からは、Steve Jobsがいかに人をやる気にさせるのがうまいか、という話をよく聞きますが、これもその一つだと思いました。

会場に満ちていた熱っぽい空気を共有したからか、今日はいつもに比べてやや興奮気味のレポートになりましたが、それだけシリコンバレーの超一流のCEOのカリスマはすごかった、ということでご容赦を。理屈を超えて人を動かすもの、が伝われば良いなと思い、取り急ぎ報告します。発表内容そのものは、おそらく、日米の多数のプレスが発表すると思うので、自分のためのメモを次のエントリにしようかと思っています。

最近、仕事やボランティアなど諸々で少し疲れていたこともあって、あんまりBlogも更新できてなかったのですが、超一流のカリスマのお蔭で少しパワーを回復しました(笑) まだまだ未熟者ゆえ、悩み多きお年頃ですが、これからも、見たもの・聞いたもの・考えたものを自分の成長記録として残して行くつもりです。


シリコンバレー・エグゼクティブの給料事情と日本のコーポレートガバナンス

2003年、シリコンバレーで最も高給取りだったのは誰か? (San Jose Mercury)

なんで先月の記事なのにわざわざリンクを貼ったかというと、


  1. 2002年度の記事にもチェックを入れていたため。

    もともとBlogは自分の備忘録なので、定点観測的に見たいデータなので残しておくことにした。ちなみに、2002年の調査については、Silicon Valley's highest-paid bosses というエントリで取り上げています。
  2. 昨年のデータを見た時 コーポレートガバナンスについて自分なりに考えた のだが、あの頃の疑問に対する一つの答えとなりそうな本に出会えたため。

    伊藤秀史編著「日本企業 変革期の選択」は、本Blogではお馴染み(?)の 黄昏さん のお勧め。

…マイペースですいません。

さて、気を取り直して、記事のポイントだけメモしておくと、2003年のシリコンバレートップエグゼクティブのサラリー事情は、

The paychecks of Silicon Valley's top bosses got fatter in 2003 -- the first time in three years.

2000年以降の3年間では初めて増加しており、

Among Silicon Valley's top bosses, the average paycheck last year -- including salary, bonus and estimated stock options gains -- was $1.78 million, up 32 percent from $1.35 million the previous year. That increase was largely driven by a 32 percent increase in the average gain on stock options to $929,808 -- far less than the $5.09 million average options gain in 2000.

ストックオプション含めたトータルの給与は、平均 $1.78 million(約2億円?)で昨年比32%増とのこと。これは、(2000年の頃に比べればはるかに低いが)ストックオプションの増加によるところが大きいようです。

過去Blogで書いたように、私個人は、経営者は会社の経営に対してちゃんとコミットすべきだし、成功した場合のインセンティブは起業・新たな産業創出を促進する、と思うので、ストックオプションは基本的にどんどんやったらいいんじゃないの、という意見です。…まぁ実際は、色々難しい問題もあるとは思うのですが。

しかし、日本企業の経営者のモチベーション、あるいはいい加減な経営に対する歯止めをどう説明すれば良いのだろう? というのが謎でした。(不祥事も幾つか続いたとは言え、給料で比べるとアメリカ企業の経営者よりはるかに不利なのに、モラルは高いと言って良いのでは?と思うので)

先に紹介した この本 では、株主による統治ではなく、従業員が経営者の行動をチェックする役割を果たしている(いた)と、「自律的ガバナンス」というコンセプト(※)で説明を試みています。経営者がいい加減なことをやっていると、従業員の会社に対するロイヤルティや仕事に対するモチベーションが低下し、長期的に見て会社の業績に悪影響を与える可能性があるので、従業員の厳しい目に晒されている緊張感が経営者の意思決定・行動を律している、ということがインタビューの結果から分かったとのこと。

というわけで、日本のコーポレートガバナンスにまつわる通説―「日本企業には経営者に対するチェック機能がない」は、必ずしも当てはまらないという意見が支配的 であるという興味深い指摘がありました。

言われてみれば、まぁそりゃそうだよね、という気もしないでもないですが、個人的には「コロンブスの卵」的な発見で、目からウロコでした。

他にも、この本では、日本企業における「事業経営」の実態―責任者はどんな人で、どう育成・選抜され、アプローチし、どの程度まで戦略的なのか―や、日本式のもの造り方式とイノベーションの関係、等について調べた結果が出ていて、とても面白かったです。本のレビューは、また別途まとめようと思っていますが、取り急ぎ。

(※)但し、このモデルは全ての場合でうまく機能するわけではなく、以下の場合は機能不全を起こすので外部のガバナンスが必要とされています。
→「長期雇用の程度が低い」「労働市場が流動的」「規制産業」「衰退産業」


Silicon Valley Player (SVJEN第4回起業家トーク)

またしても久々の更新となりました。
留守中も多くの方々に訪問していただき、ありがとうございました。複数の友達からは、「最近Blog更新してないけど、何かあったのか」と心配のメール、IMを貰い、あぁ楽しみにしてくれている人がいるなんてありがたいなぁ、と、喜びをかみしめています。

この間、私がやっていたことと言えば、仕事以外では、SVJENでのボランティアなのですが、起業家トークセッション前後の裏方仕事に加えて、今回は公式レポートを書かせていただきました。原稿のみならず、Web更新のディレクション(制作は、いつもプロのWebデザイナさんがやってくださっています)もお手伝いしたので、今回の更新は感激もひとしおです。

第4回起業家トークセッションの公式レポートはこちらです。

当日は、スピーカーのお二人も気合十分で、140人の聴衆を前に、シリコンバレーに至る二人の、そしてIP Infusionの成功の軌跡について語っていただきました。「経験者の生の声を、ざっくばらんに」という会の趣旨にふさわしいものだったと思います。また、参加者の皆さんも、二人の情熱を肌で感じたからか、講演後の質疑応答や懇親会も大変な盛り上がりを見せました。

何と言っても、私にとっていちばん印象に残っているのは、当日の会場の熱気に満ちた雰囲気です。
創業者のお二人はまだ30代。前回起業家トークの渡辺さんのお話は、エンジニア魂を彷彿とさせながらも脂の乗り切った起業家という印象がありましたが、目を輝かせてシリコンバレーの素晴らしさを語る吉川さん・石黒さんは、「プレイヤー」という言葉がぴったりでした。日本人創業者によるシリコンバレー企業の中で、最も注目される会社の一つなだけに、会場は大入り満員でしたし、お二人を見守ってきたメンターの方々や、大物VCが若い起業家を温かく見守る眼差し、そして、次は自分がやってやろうと、メジャーリーガーのお二人の体験談から貪欲に学ぼうと目を光らせるプレイヤー達、と、まさしくこれこそシリコンバレー、という空気に満ち満ちていました。

あのような場に一聴衆として居合わせられたこと、そしてあの場を演出する一スタッフとして微力ながらもお手伝いできて、幸せに思いました。

イベントを成功裡に終えられた満足感、それから最近Editorとして携わっているSVJEN編集局としては、

狭義の意味での「起業家」は勿論だが、「自分の人生を自ら切り拓く」ことにチャレンジするのを広義のアントレプレナーシップだとするなら、老若男女・国籍・人種関係なく、その価値観に共感・応援してくれる人の輪を広げて行きたい

と、「アントレプレナーシップ」という旗印に共感する人の輪の一員として、微力ながらも今後も「応援団」を頑張ろう、という思いを新たにしました。

以下はかなり個人的な感想ですが、

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Pho Bac Hoa Viet

大変遅くなりましたが、前回の VietMensClub 定例の様子を報告します。
(ベト麺熱が冷めたわけでは、断じてないのですが、最近妙に忙しく。。。。)

先々週になってしまいますが、E隊員口コミのPho Bac Hoa Vietへ行ってきました。E隊員は欠席でしたが、もう一人のE隊員は久々に参加でした。合計7人でした。なぜか、当日は、昆虫(セミ)の生態に詳しい隊員が集まり、今年はセミの当たり年だという話題で盛り上がりました。

最近、続けてMSG系に当たってヘコみがちだったのですが、久々に掘り出し物!まずまずのお味でした。スープがくどくなく、しょっぱすぎないところが好みだし、具もまぁまぁいけました。

それに、この店、バインセオ(ベトナムの、広島風お好み焼きみたいなの)もなかなかおいしかったです。皮が油ギッシュでギトギトだったり、あまりに硬くてバリバリだと寂しい気分になりますが、適度なパリパリ感だし、具も豊富で、しっかり入ってて、味が濃すぎなくて、Goodでした。お友達と何人かで行って、PhoのSmallを頼んでバインセオをシェアする、というのがオススメです。

Phoとバインセオの組合せ、というと、真っ先に思い出されるのはミルピタス獅子城の右裏にある「Pho 909」ですが、Bac Hoa Vietのバインセオは、909の次ぐらいかな?悪くないですよ。場所が場所なので、ワザワザ食べに行かなくても、とは思いますが, 近所に用事があって行って、ベト麺が食べたくなった場合や、その近くにいる友達に「この辺にうまいベト麺ない?」と聞かれた時, 安心してオススメできると思います。
(但し、近隣にそれっぽいモールがたくさんあって初めての人には場所が分かりづらいかもしれません。ご注意を)

その他、私は頼まなかったのですが、Hさんの頼んだブンボーフエもおいしいそうですし、Wさんが飲んでたベトコーヒーも、ちゃんと、上から落とすドリッパーで持ってきてくれてたので、実はけっこうおいしいんではないか、と思って見ていました。

#日本はコーヒーがおいしい国なので、 「ナニをそんな当たり前のこと」と思われるかもしれませんが、アメリカってコーヒーおいしいところ少ないですよね?ベトコーヒーもご多分に漏れないのですが、El Camino沿いのPho Thanh Longはコーヒーもうまいです。Pho Thanh Longの、麺+コーヒーで$5の「モーニングベト麺。」(朝10時半迄)がオススメです。
これだけのレベルで数店もあるのはすごいですね。ナショナルチェーンどころか、韓国にまで進出を遂げたPho Hoaや、 ベイエリア近郊のM&Aの台風の目・Pho Quyenに引き続き、ベイエリアベト麺界の次のスターとなるのか、ならないのか、今後も見守って行きたいと思います。

【今回のお店】
Pho Bac Hoa Viet
2859 Senter Rd San Jose CA 95111
Phone: 408-226-6888

http://maps.yahoo.com/maps_result?ed=1n.U6up_0ToAcFcJ3TaIZG2Za.DShRw-&csz=San+Jose%2C+CA&country=us&new=1&name=&qty=